明治大学・七不思議めぐり NO.3
次の不思議は、諏訪神社の諏訪大明神の「カキの不思議」です。
拝殿の向かって左手前石段下の背の高い柿の木です。
毎年、旧暦の正月6日になると朝早く青い実が三つなり、昼になるとそれが真っ赤に実ったというから信じられない話です。
この不思議が広く知れわたり、都の天子様の耳にも入って、毎年使いのものが天子様にこの三つのカキを献上する習わしになりました。
ところがある年、(伝説によると正和元年=1312年、約700年前) 使いの者がこのカキを新しい箱に入れて都に向かう途中、須知(シュウチ)でのどが渇いたので里の家に入り、お茶を飲ませてもらったところ、にわかに腹痛がおこり、大騒動する間にカキを入れた箱は北の空へと飛び去ってしまいました。
これは「火の食い合わせ」といって、火を通したものを口にしてはいけないという掟(オキテ)に背いたからです。
それからというもの、正月6日にカキが実るという不思議は消えてしまいました。
都の天子様は、何時まで待ってもカキが届かないのを怒ってとうとう天子の位を弟に譲ってしまわれたということです。
このカキは「御用柿」といいます。梅干より少し大きいくらいの丸い実で自然に生えている渋柿のようです。黄色く実るといつの間にか山鳥が食べてしまいます。 (つづく)