金谷峠から鬼ヶ城へ(山の名前、峠の名前)

思えば私は、今まで、自分の住んでいる綾部市志賀郷地区というごく狭い地域の山と峠だけを歩いて、いろんなことを思ったり、考えたりしていました。それで十分だったのですが、ふと思いついて、よその峠にも行ってみましょうと先導者にお願いして連れて行っていただきました。

よその地区といっても、車で15分の近くです。豊里地区小畑の奥の「金谷峠」。おととし、地域の人々によって整備復活されたという昔からの峠道です。案内板、途中の目印の杭などを、感心して眺めながら歩きました。

私達の地域の峠道と良く似た山の道をたどっていくと、福知山市観音寺というところに出ました。峠はここで終わりです。ここで引き返していたら、「よく似た峠を歩いた」に過ぎませんでしたが、頑張って大きな山寺という趣の観音寺の仁王門でお弁当を食べてから、裏の山に上ったのがよかった。「金谷峠」を越えて、さらに、山登りをしたわけ。

山の名前は「鬼ヶ城」標高544メートルと頂上の柱にありました。周囲360度がずーと見渡せる、山また山・・・

山が遠くまで重なって海のよう・・・こんなに広がってたくさんある山に名前をつけて見分けるなんてことはほとんどできない・・・峠なんてなおさら・・・沢山ありすぎて・・・・

とはじめはあまりの広さに笑ってしまい、そのうちに少し哀しい感じになりました。初めて見る中丹地方の山並みのパノラマを小一時間眺めて、山というものの広がりが心に沁みました。

この広い沢山ある山並みのどれが私達の奥山だろう、奥山のぬた場の尾根はどの方角にあるのだろう、と熱心に探しました。今度、ぬた場の尾根から、「鬼ヶ城」を探して眺めたいと思いました。

山がどんなにたくさんあっても、私達の奥山はひとつだけだと思いました。奥山だって山の広がりであって、その一つ一つの峰に誰も名前をつけていません。それが、不思議で不満だったのですが・・・大切に思い出を積み重ねていけば名前が必要になる、と今はそう思っています。     (おわり)           

                                                              

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